旧弘前偕行社は、旧陸軍第八師団が弘前に設置された際に陸軍将校たちの親睦・研修施設として1907年に建設された洋風建築で、2001年には国の重要文化財に指定されています。2013年から改修工事を行い、建築当時の姿に復元され、2020年4月にリニューアルオープンしました。2024年には弘前市の所有となり、一般公開しています。
旧弘前偕行社は、ルネサンス風様式を基調とした建物で、 木造平屋建で簡明な洋風建築ですが、規模が大きく要所に配された華やかな細部意匠が特徴です。
正面中央上部の屋根窓、軒廻りの持ち送り板、 窓廻りの飾り枠や上部に付けた櫛形あるいは三角形の破風飾りなど、豊かな装飾を備えています。
玄関廻りは、ポーチに鋳鉄柱を用い、 車寄せの妻飾りとして唐草模様と陸軍第8師団に因んだ「蜂」のレリーフが印象的です。
館内の大多数の窓ガラスは、気泡が入ったり波を打っておりレトロな雰囲気です。
このほか、各部屋の漆喰天井の繊細な中心飾りは当時のままで、 暖炉は外国製タイル(一部は欠損)が張られ洗練された意匠を配しています。
旧弘前偕行社は、弘前市を代表する棟梁・堀江佐吉が設計しており、堀江佐吉がかかわった最後の作品となります。
旧弘前偕行社は、ガイド付きで見学することができます。見学を希望される方は、事前にお電話にてお申込みください。
敷地内にソメイヨシノの古木があり、春には桜の名所でもあります。
(2025年12月1日現在の情報です。)