遠野伝承園は、遠野に伝わる民話の世界を体感できる施設です。国の重要文化財の曲り家「旧菊池家住宅」や千体のオシラサマを祀る「御蚕神(オシラ)堂」の他、『遠野物語』の話者・佐々木喜善に関する資料を展示しています。語り部による昔話を聴ける他、お食事処「おしら亭」では遠野の食材をふんだんに使った郷土料理を味わうことができます。
馬と共に暮らした生活がわかる国の重要文化財の曲り家「旧菊池家住宅」。直家から曲り家へと発展していった過程を垣間見ることができ、往時の農家の調度品や民具も展示されています。
中に入ると昔話を聴ける囲炉裏やザシキワラシの気配が感じられる部屋、そして養蚕の神様でもあるオシラサマについて知ることができる御蚕神(オシラ)堂があります。遠野の歴史と信仰を深く感じられるスポットです。遠野のオシラサマには娘と馬の恋物語が伝えられており、『遠野物語』第69話には「…娘この馬を愛して夜になれば厩舎に行きて寝ね、ついに馬と夫婦になれり。」といった話が記されています。「御蚕神(オシラ)堂」では、願い事を布に書いて、オシラサマに着せてお祈りすると、願い事が叶うと言われています。
また、壁がすべて板で作られている納屋の「板倉」の中は、『遠野物語』と「かっぱ」を楽しめる観光スポットです。色鮮やかな資料で『遠野物語』の面白さにふれたり、「カッパ」の世界を覗いて見ることができます。
さらに、併設の「おしら亭」では、遠野名物「ひっつみ」や「けいらん」、伝承園名物の「カッパ焼き」などを味わいながら、古民家の建材を活かした温かみある空間でくつろぎの時間をお楽しみいただけます。
また、民話に出てくる妖怪「カッパ」が、近隣の「カッパ淵」で捕獲できるとされており、ここ伝承園で「カッパ捕獲許可証(220円)」をゲットできます。許可証の裏面には「捕獲7カ条」があり、「頭の皿を傷つけず、皿の中の水をこぼさないで捕まえること」等、カッパ捕獲の際のユーモラスな注意事項が書いてあります。淵には釣り竿が置いてあるので、キュウリをエサにカッパ釣りにトライしてみましょう!