東北の山、川、海をめぐる夏のアクティビティ

大自然に囲まれた東北は、まさに風情のある景勝地が多い地域! 春の桜、夏の海、秋の紅葉、冬の雪景色と、同じ場所でも季節ごとに異なった美しさを堪能でき、近年は各地で自然を満喫できるアクティビティも充実しており、人気を集めています。


自然と一体となれるアクティビティは、日頃の疲れをリフレッシュしてくれるでしょう。この夏は、日常では味わえない爽快感と高揚感を求めて、東北の山、川、海を満喫できる雄大な自然のアクティビティを巡ってみてはいかがでしょうか。

日本初の世界自然遺産・白神山地 30周年

まずは青森県の南西部と秋田県の北西部にまたがる白神山地を目指します。白神山地は、約13万haに及ぶ広大な山地帯の総称で、人為の影響をほとんど受けていない世界最大級の原生的なブナ林が分布しています。このブナ天然林を中心に、ツキノワグマ、ニホンザル、クマゲラ、イヌワシなど、多種多様な動植物が生息・自生する生態系の価値が認められ、鹿児島県の離島・屋久島とともに、日本で初めてユネスコの世界自然遺産として登録されました。今年12月には、登録30周年を迎えます。

世界遺産登録地域は、最もよく原生状態が保たれており、その価値は地球的に見ても極めて重要と評価されているとか。

登録地域内の散策は、規制も多いためハードルが高いものの、その周辺には大自然を体感できるさまざまな散策ルートが整備されており、中でも「十二湖散策コース」が人気です。

十二湖は、白神山地西部に位置するブナ林に囲まれた33の湖沼群の総称で、散策コースはそれらの主な湖沼を約40分かけて、ぐるりと巡ります。散策コースのハイライトは、鮮やかなコバルトブルーに輝く「青池」。水中に朽ちたブナの大木が横たわる様子や池底に倒れた木が見えるほど透明でありながら、ハッキリとした青の湖面で、吸い込まれるような神秘的な美しさ! 季節によって見え方が変わるのも特徴で、何度も足を運びたくなるでしょう。

子どもも楽しめる、ゆったりラフティング

さらに白神山地には、山や川、湖など、その雄大な自然をプレイフィールドとしたアウトドアアクティビティのメニューがいくつかあります。中でもオススメしたいのが、白神山地に源流を持つ岩木川を、8人乗りの大きなボートでゆったり下るラフティングで、4月下旬から11月上旬まで楽しめますよ。

「せーのっ!」「イチ!ニ!」と、みんなで呼吸を合わせてパドルを動かし、圧巻の景色を眺めながらエメラルドグリーンの川を滑るように下るのが特徴です。

水しぶきを全身に浴びながら、水面をなでる爽やかな風、岩肌に反射する水のきらめき、鳥のさえずりなど、ここならではの自然を満喫できます。

途中、流れの緩やかな場所では、青森の名物でもあるリンゴジュースでブレイクタイムも。夏は、浅瀬での水遊びや、ダイビングスポットでの飛び込みも楽しめます。じゃぶじゃぶと水と触れあえば、思わず笑顔がこぼれます。

スタート前に、主に日本語での安全説明や漕ぎ方の練習もあり、6歳以上であれば、子どもでも安心して楽しめるので、親子でぜひ参加して夏の思い出をつくってください。

悠久の大地・海を体感!御箱崎千畳敷

次に目指すのは、青森県八戸市から福島県相馬市までの太平洋沿岸約1,000kmをつなぐ「みちのく潮風トレイル」。森、里、川、海のつながりを感じることができる豊かな「歩くための道」を旅すれば、車のスピードでは見過ごしてしまったかもしれない風景や歴史、文化を感じ取ることができるはず。動物たちの姿や痕跡を見つけたり、植物の芽吹きなどを目の当たりにしたりと、自然との出合いも待っています。

このロングトレイルの中には、いくつかモデルコースがあります。

青森県八戸市の種差海岸を巡るコースは、起伏に富んだ岩礁から白砂青松まで、歩くたびに変化する海岸風景が印象的。温暖な気候と海の幸に恵まれた、宮城県石巻市の田代島・網地島を巡るコースは、穏やかな時間を過ごせます。海・里・山の魅力がコンパクトに凝縮した里山、福島県新地町鹿狼山を巡るコースは、日本の原風景を楽しめます。


今回、特にオススメしたいのが、岩手県釜石市の箱崎半島先端の海岸にある絶景スポット「千畳敷」を目指すコースです。約1億2千万年前にマグマが冷え固まってできたという巨大な花崗岩のごつごつした岩肌が広がり、目の前には壮大な海景色が臨めます。

悠久の大地・海を体感できるこの千畳敷は、「みちのく潮風トレイル」の中継地となっており、最寄りの駐車場からは片道約1時間のトレッキングで到達でき、夏は草木が生い茂るジャングルのような道のりを楽しむことができます。

トレッキングコースをスタートして最初に見えてくるポイントは、箱崎半島の沖合に浮かぶ無人島「三貫島」です。オオミズナギドリとヒメクロウミツバメの繁殖地として国の天然記念物にも指定されていて、島全体がタブノキの緑に覆われており、なんとも愛らしい姿をしています。

次のポイントは、箱崎半島の突端にある「御箱崎神社」。地元の方々が漁業繁栄と家内安全を祈願するこの神社は、鮮やかな赤に彩られた鳥居が連なっています。この鳥居をくぐるのも、なんとも神秘的な体験となるでしょう。

半島の先端には「御箱崎灯台」があり、ここからの海景色はまさに絶景! 外洋に面しているので、夏の晴れた日の海色はひときわ美しく臨めます。

いよいよ「千畳敷」へ。急勾配の岩場があり、ロープをつたってゆっくり進むのですが、これがまるでロッククライミングにも似たかんじで、ちょっとしたスリリングな体験も味わえますよ。

「千畳敷」に降りると、巨大な岩のごつごつ感、そこに打ちつける波の水しぶきや轟音に圧倒されるのはもちろん、目の前に広がる、ぐるり360度のパノラマの、素晴らしい自然美に思わず息を呑むことでしょう。

なかなかハードなコースになりますが、その分、たどり着いたときの感動は大きいので、足に自信のある方はぜひチャレンジしてほしいですね。

安比高原でマイナスイオンたっぷりの森林浴

最後にやってきたのは、岩手県八幡平市にあるリゾート、安比高原。冬は最上級パウダースノーのスキー場として有名だが、白樺林や芝地が爽やかに広がり、夏はテニスやゴルフ、森林浴、ゴンドラ遊覧、グランピングなど、さまざまなアクティビティが楽しめます。


この高原に広がるブナ林は、夏場はとても涼しく、日本の森林浴百選の一つにも数えられています。美しく木漏れ日がゆれ、風にそよぐこずえの音も心地よく、リフレッシュ効果が抜群! マイナスイオンと爽快な樹木の芳香たっぷりのグリーンシャワーを浴びながら散策すれば、日常で疲れた心とからだが癒されるでしょう。

また、近隣にある「不動の滝」も、オススメのスポット。岩手県で唯一、日本の滝百選に選ばれている滝で、「岩手の名水二十選」にも認定されています。

国道から、大きな鳥居のある山道を入りしばらく車を進めると、ぽっかりと森が開け、鳥居が見えてきます。ここは桜松神社といって、縁結びのご利益があるとか。燈篭が並べられた桜松神社の参道を通り、さらに奥に進むと、不動の滝に到着。

古くから修験者の道場地として使用されてきた由緒ある霊場で、森閑とした一体はいまもその雰囲気を漂わせています。滝つぼの前には朱色の橋が架けられており、これがより一層、神秘的な光景を引き立たせています。

高さ15mの滝が白い飛沫をあげて垂直に流れ落ちるは圧巻! 夏はもちろん、紅葉の時季も見ごたえのある風景です。

安比高原では、7月上旬から8月半ばまでの期間、夜のホタル観賞もオススメ。この高原には、「ヒメボタル」「ヘイケボタル」「ゲンジボタル」という3種類のホタルが生息していることが知られています。夏のわずかな期間、これらのホタルたちが幻想的な光を放ちながら、優雅に舞い踊る光景を目にすることができるでしょう。

森の中を縦横無尽に駆け抜ける、オフロード走行体験

さらに、この安比高原で最近注目されているのが、広大な敷地を誇るアウトドア総合施設「クルマアソビアドベンチャーフィールド安比」です。クルマを通した遊びや楽しみ方を提案してくれる施設で、大自然を駆け抜けるアクティビティ体験のほか、トレーラーサウナでのロウリュウ体験、ログハウスやドームハウスへの宿泊、キャンプなどが楽しめます。

アクティビティは、ポラリスオフロードコース体験、ジムニーアドベンチャーツアー、e-BIKE体験、電動カート体験など、車輪が付いた「乗りもの遊び」が充実しており、中でも、アメリカで人気のオフロード車・“ポラリス”四駆バギーや、日本のオフロード四駆の代表・ジムニーによるオフロード走行体験メニューは、これまで経験したことがない、スリル満点な開放感を体感できると人気です。


うっそうとした森の中を縦横無尽に広がるマウンテンオフロードコースは、自然の地形が活かされており、マッドやヒルクライムにヒルダウン、キャンバーなど、あらゆる障害が待ち構えており、なんともワクワクしちゃう!

絶叫しながら自然豊かなオフロードを駆け抜ければ、日常のストレスも解消できそう。

他にも、施設内を1周できるコースを使ったセグウェイ(電動立ち乗り二輪車)やクレイジーカート(ドリフト走行もできる電動カート)などにチャレンジできるメニューも。子どもたちが楽しめるプレイランドもあるので、親子連れでも安心して楽しめますよ。

親子で行くなら、安比高原牧場にも足を運んではいかが。総面積約100haの広大な敷地の中、生産牧場としてはもちろん、動物とのふれあいや、釣り堀、バーベキュー、グランピングなどが楽しめる観光牧場の一面も持つ、総合牧場となっています。のんびりと草をはむ牛たちを眺めたり、牧場特製のソフトクリームや牛乳を味わったり、ゆっくりとした時間を過ごすのにオススメです。

シーンにあわせて楽しむ東北の夏のアクティビティ

春夏秋冬それぞれで異なった楽しみ方ができる自然に恵まれた東北は、実はアクティビティの宝庫。今回紹介したアクティビティ以外にも、夏であれば、SUP(サップ)や釣り、サーフィン、シーカヤック、パラグライダー、カヌーなど、各地でさまざまなメニューが準備されていますよ。

それぞれの旅行シーンにあわせて、普段とは違う体験を求めて東北を目指してみてはいかがでしょうか。きっとかけがえのない思い出が得られるはずですよ。

紹介したスポットをマップで見る

  • 日本初の世界自然遺産・白神山地 30周年
  • 安比高原でマイナスイオンたっぷりの森林浴

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